先月の2009/3/23(月)に、都内でサントリーのブロガーイベント「コーヒー『復活の香り』を楽しもう」が開催されました。
三度の飯より珈琲が好きだったりするので、近くなら行けたのになあと思っていたところ、サントリーさんと、MONO-PORTALさんの御好意により、セミナーのDVDをいただきました。ありがとうございます☆とても嬉しいです。
ちょうど春休みでなかなか見ることができなかったのですが、やっと学校も始まって、のんびりセミナーDVDを見ることができましたので、自分の覚えと、どなたかの参考になるかも、と思い、レポートにしてみました。
サントリーと珈琲
サントリーは、缶コーヒーのBOSSを92年に発売し、珈琲とは17年のつきあいになるそうです。そして、2008年9月には通信販売で、復活の香りというレギュラーコーヒーの販売を「香琲工房」というサントリー直営ネットショップで開始しました。
珈琲鑑定士三橋守男
さて、今回のセミナーの講師は、珈琲鑑定士三橋守男氏。あ!復活の香りのサイトに登場してる方だ!
三橋さんは、1994年から珈琲にかかわり、いくつもの珈琲鑑定士の資格を持つプロフェッショナルです。コーヒーの仕事はもう15年もしていらっしゃるそうで、缶コーヒーの開発、チルドカップの開発、復活の香りの開発と携わってこられたそうです。
そんな方のお話を聞けるなんて、珈琲好きにとっては、なんとも嬉しいことです。
コーヒーはある意味フルーツの仲間
珈琲は、苗を植えてから収穫するまでに3年かかります。桃栗三年柿八年と言いますが、フルーツである桃と同じような感じです。
コーヒーの花は白い花でこれが咲き始めると、ジャスミンのような香りが漂い、いっせいに咲くところは、非常に香りも良く景観もキレイなんだそうです。
コーヒーの花が咲いてから、赤い実がなるまではおおむね約8か月(6ー9か月)。サクランボによく似たさくらんぼより一回り小さい実がなります。
そのため、珈琲は、coffee cherryとも呼ばれるそうです。
そして、コーヒー豆というのは、さくらんぼのようなコーヒーの果実の中にある一対の種なんです。果肉の部分じゃないんですね。種なんですって。それは、知らなかったな。
コーヒー豆が出来るまでの二通りの工程
珈琲の生豆(なままめ)ができるまでには、二通りの方法があります。
ナチュラル式と呼ばれるアンウォッシュドの水を使わない方法。
復活の香りも使っているウォッシュドと呼ばれる発酵の工程が入る方法。
その2つのどちらかの方法で生豆の状態となり、輸入され、焙煎されてコーヒー豆となるんだそうです。
会場では、実際に焙煎前の生豆も置いてあったようです。生豆は薄い緑色でグリーンビーンズとも呼ばれます。とても固くて、噛むと歯が痛むくらい固いそうですよ。
コーヒーの生豆を焼くとふくらむ
この固い生豆を焼いてできあがったコーヒー豆は生豆より大きくなっています。
生豆を焼くことで、コーヒー豆の中の気泡がスポンジ状にふくらみ、それが珈琲を入れるときに美味しさのポイントになるようです。
コーヒーの美味しさって何
珈琲ならではの美味しさの特徴は2つ。
甘い香りと柔らかな甘味。
珈琲の4つの香り
珈琲は3回香りが変わる、と言われているそうです。
焙煎した豆の状態の香り。
コーヒー豆を挽いて粉にするときの香り。
抽出するときの香り。
液体になった時の香り。
その4つの香りとその変化を楽しむことも、珈琲の楽しさの一つです。
コーヒーの甘い味
珈琲はより上質なものほど、より甘い香り、甘い味がするそうです。
上質な珈琲には砂糖で1%くらいの甘味があるそうです。ちなみに、缶コーヒーが5%ー7%くらいだそうです。
実は、わたしが好きなのは、香りももちろんですが、香ばしい香りとともに味わうこのコーヒーの甘味なんです。フルーティーとも言えるこの甘味を舌の上で転がす時が至福の時でありまして。
珈琲は苦いから嫌いとおっしゃる方もおられますが、わたくしとて、決して苦いのが好きなわけじゃない。
だから、たまにインスタント珈琲を飲むと、残念ながらインスタントではこの甘味が感じられず、あまり飲む気になれないんです。
珈琲の栽培
コーヒーは、赤道を中心に南緯・北緯25度のコーヒーベルト地帯と呼ばれる世界70カ国以上で栽培されています。
その中でも日本に入ってくるのは、20ー30カ国くらい。最近は、オーストラリアでも栽培が開始されているそうです。
珈琲の味や品質は栽培環境によって、異なります。
珈琲の栽培に適した気候
- 年間平均気温20度C以上
- 年間降水量1000ー2000mm
- 適度な日照
- 昼夜の大きな寒暖差
コーヒーの栽培に適した土壌
- 有機性・肥沃
- 良い水はけ
- 火山灰土壌
珈琲の栽培に適した標高
- 1000ー2000m(アラビカ種の場合)
そして、珈琲によっては、フルーツのような、あるいはナッツのような香りがあるものもあります。
これは、最近の研究で、珈琲農園に一緒に植えられているフルーツや花などの花粉が珈琲の木に受粉や呼吸によって取り入れられるためではないか、と言われているそうです。
たとえば蜂蜜なども、花によって味も香りも異なりますから、それと同じようなものなんではないか、と講師の方もおっしゃっていました。
コーヒーの品種
珈琲の品種は大きく分けて3つあり、そのうち2種が商業的に流通しているそうです。
その2種とはアラビカ種とロブスタ種。
アラビカ種はエチオピア原産で生育条件は標高1000ー2000m。珈琲全生産量の約70%を占めています。ブラジル・モカ・コロンビアなどもアラビカ種で、上品な香りと柔らかい酸味が特徴。高価でレギュラーコーヒーとして利用されていることが多いそうです。
一方、ロブスタ種は、コンゴ原産。生育条件は、0ー500m。珈琲全生産量の30%。代表銘柄はベトナムなど。(知らないなあ・・・)焦げた麦のような香りが特徴で、酸味は少ない。安価でインスタント珈琲やアイスコーヒーの原料に使われているそうです。
それを聞いて、わたしは、あっ!と思いました。
わたしは、日頃から、レギュラーコーヒーは大好きで、香ばしい匂いの向こうにあるほのかな甘味を味わいたいがために飲んでいます。
でも、インスタント珈琲には、そういう甘味は感じられず、どうしてなんだろう?同じ珈琲なのに、と常々疑問に思っていたのですが、やっとわかりました。
レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーでは、使っている珈琲の品種が違うんですね。
そうかあ、そうだったのかあ。どおりで、同じコーヒーなのに、味が全然違うわけだ。
会場では、アラビカ種のグァテマラ(甘くて華やか)、エチオピア(フローラルでスパイシー)、ケニア(少し柑橘系、グレープフルーツかベリー系)とロブスタ種が実際に用意され、見たり、かいだりすることができたようです。
アラビカ種の原種に出会う
そして、現存アラビカ種の原種とも言える品種が「ティピカ」と言い、甘くて華やかな香りで柔らかい甘味。
講師の三橋さんがこのティピカを飲んだ時、とても印象に残った品種だったそうです。
このティピカという原種が美味しいということは、昔の珈琲はもっと美味しかったのではないか?という仮説を三橋さんは立てます。
そして、それが、サントリー「復活の香り」誕生へのきっかけとなります。
長くなるので、続きは次回。